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【大阪校】平井先生より「スポーツ小説 厳選10」

カテゴリ:タイシン大阪校
公開日: 2024年7月 8日 10:17
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こんにちは、皆さん。
タイシン大阪校の平井です。


今日は、本の紹介をいたします。

みなさ~ん!本読んでますか?

部活に受験勉強に忙しくて、本を読む暇はない、とか言い訳はやめましょう。

総合型や学校推薦型の受験を考えている人は、本を読んでおくことが受験の準備になりますし、共通テストを受ける人も、本を読むことは受験準備になるのです。

実際、タイシンの本科コースにいながら、空き時間に夏目漱石や太宰治の作品を読んでいたある本科生は、国語で楽に9割取ってましたよ。


といっても、いきなり漱石や太宰というわけにもいかないでしょうから、まずはスポーツに関わる本から読んでみましょう!

厳選して10本選んでみました!

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【ラグビー関連】

 私はラグビー部ではありませんが、京都は昔からラグビー好きが多い(関西のラグビーのルーツは、京都にある下鴨神社の周囲にある糺の森で、日本初のラグビーチーム慶応義塾の学生が三高(現京都大学)の学生にラグビーを教えたことだ)。

高校に伏見工業、大学に同志社、社会人に三菱自工京都と、それぞれのカテゴリーで日本一を狙えるチームがあったのです。

ラグビー熱は高くなりますね。では、まずはラグビー関連の本から。

ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」 荒木香織

2015年ラグビーのワールドカップイングランド大会。

それまでワールドカップでは1勝(2引き分け21敗)しかしていない日本が、過去2回の優勝を誇る南アフリカに34-32で勝って大番狂わせ(「ブライトンの奇跡」と呼ばれる)の裏話。

1995年のワールドカップでは、ニュージーランドに17対145で大敗していたチームが、ここまで変わったのは何か。

エディ・ジョーンズヘッドコーチの取り組みを支えたメンタルトレーナーの記録。

奇跡のチーム 生島淳

こちらは、そのエディ・ジョーンズヘッドコーチの取り組みのドキュメント。

どうやって日本のラグビーを強くしていったのか。

当事者の話をもとにして、解き明かしている。

落ちこぼれ軍団の奇跡 馬場信浩

これは、前出伏見工業高校ラグビー部の日本一までのドキュメント。

伝説のテレビドラマ「スクールウォーズ」の原作である。

当時荒れまくっていた伏見工業高校に、かつてラグビーで日本代表を務めた一人の男が赴任するところから話は始まる。

練習試合に部員全員がボイコット、公式戦0対109で大敗から始まって、花園(全国大会)決勝でのロスタイムのトライまで。

なんとも熱い内容である。



【駅伝関連】

「下町ロケット」や「やられたら、やり返す、倍返し」の池井戸潤が、箱根駅伝を舞台に最新作を出しているが、私はまだその作品は読んでいないので、ここで紹介はできない。

しかし私の読んだ中で箱根駅伝を舞台にした2本の傑作を紹介しよう。

チーム 堂場瞬一

堂場瞬一はスポーツ小説の第一人者である。

その堂場瞬一の最高傑作がこの作品。箱根駅伝では、予選を通過できなかったチームから寄せ集めで学連選抜チームが参加する。

チームの誇りや、仲間の思いをつなぐ襷ではない。

そんなチームでどうやって走ればいいのか。

この年限りで引退する監督、予選通過の夢砕けたキャプテン、大学生No1のエース、山登りのスペシャリスト、それぞれが自分の大学、そして自分のために箱根に挑む。

続編(「ヒート」「チームⅡ」「チームⅢ」)ができるほどのできで、リアルな設定は気が付けば箱根駅伝の中に引きずり込まれていく、そんな作品だ。

風が強く吹いている 三浦しをん

これも箱根駅伝が舞台。

「チーム」よりは現実離れしているな、と思ったら、アニメ化されていた。

同じ作者の「舟を編む」(辞書作りに情熱を燃やす話。かつて映画化され、最近テレビドラマ化されていた)が面白くて、そのついでに読んでみたら、これも面白かった(もっとも「舟を編む」の方がおすすめだが、スポーツは関係ないのでこちらを紹介する)。



【野球関連】

次は野球関連。

「巨人の星」「ドカベン」「タッチ」と野球漫画には事欠かないが、小説でもいろいろある。

その中から少し紹介してみよう。

監督 海老沢泰久

長嶋茂雄が巨人の監督をしていたころ、弱小のヤクルトを率いる広岡達郎監督の話。

現実に即したフィクションであるが、結構リアルな内容で面白い。

偉そうにするだけで全く無能だった前監督、上に取り入ることだけが上手なコーチ、気の弱いエース、チームのことより自分の成績を考える外国人スラッガー。

グダグダのチームを広岡が、野球とチームを愛するオーナーとともに、巨大戦力の長島巨人に立ち向かう。

広岡を理解する選手も出てくるが、チームリーダーが大けが、エースに八百長疑惑と大ピンチに。

ヤクルトファンは必読だよ!

もし高校野球のマネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海

ご存じ元AKBのあっちゃんこと前田敦子主演で映画化された高校野球を舞台にした作品。

高校生の部活を上手に描いていて、思わず涙するシーンも。

きわめて読みやすいから、本が苦手な人でも、すぐに入り込めるだろう。

焔 The Flame  堂場瞬一

スポーツ小説第一人者の堂場瞬一は、数多くの野球作品があるが、その中でも最高傑作はこれ。

メジャー挑戦を考えるサード、そしてその代理人の座を狙う高校時代の友人、打撃三冠王を狙う上でのライバルのファースト、身勝手なエース、気の弱い監督、女子アナである主人公の恋人と、この作品でも登場人物は多彩だ。

激烈を極め最終戦までもつれ込んだペナントレースの優勝争い。

その中でメジャーと日本のプロ野球の違いもうまく描かれている。



【サッカー関連】

前日本代表の長谷部(「心を整える」はベストセラー)や長友、本田といったプレーヤーたちの書いた本も人気があるが、ここではサッカー小説を紹介しよう。

マルセイユ・ルーレット 本城雅人

本城雅人は元スポーツ新聞記者。

取材をしていただけに設定はリアルで、実際の話かとも思えるほどである。

この作品は欧州サッカー界に巣くう八百長賭博摘発をメインに、ヨーロッパのサッカーに関わる人たちを描いているミステリー作品だ。

ページをめくるのがもどかしくなるようなストーリー展開とどんでん返し、それでいてサッカーの世界にも引き込まれる。

マルセイユ・ルーレットは、マルセイユ・ターンともいわれるサッカーのドリブルの技術で、あのジダンのトレードマークだった。

おジャ魔女どれみ16~20’s 原作 東堂いづみ・著 影山由美

日曜日の朝8時30分と言えば、「プリキュア」かもしれないけれど、その前は「おジャ魔女どれみ」だったのです。

アニメの最終回は小学校の卒業式だったけど、ここで紹介する本は、その後日談。16とは16歳のことで、つまりおジャ魔女の登場人物が高校生になったところから話が始まる。

なぜサッカーなのかというと、主人公のどれみがサッカー部のマネージャーで、ラブレターを渡したサッカー部のエースストライカーから「お前を国立へ連れていく」という返事が来たことから、サッカーの試合が熱いシーンとなっているからだ。

もっとも、どれみは「国立」が何のことかわからず「国立と言ったら多摩でしょ、そこに何があるの?」。

あのな~!それは「くにたち市」。「国立」と言えば高校サッカーの聖地「国立競技場」。

それ以外にも、ヴァイオリンのはづきは、コンクールで優勝しパリの留学を勝ち取るが、父親が私費を投入して作った映画の主役が大麻でつかまり映画はお蔵入りで破産したり、運動万能のあいこは、陸上100mで1年生で高校生記録を打ち立てるもアキレス腱断絶の大けが、チャイドルからの脱皮を図るおんぷはミュージカルで再出発するが、母親の重病で姿を消し、ももこはパティシエのコンクールにチャレンジするも、いつもの魔女界のバターを使えず落選など、それぞれに課題があり、それを解決しながら高校生活から卒業し社会人までを描いている。

魔法で解決しないところがいいね。

教員志望者は読んでも損はないよ。

マンガ感覚で読めるから、おすすめです。

「ハッピー、ラッキー、みんなに届け!」



以上、厳選10作品です。

いかがでしょうか?

ここには入らなかったけれど、それ以外にスポーツ小説として面白かったものを少し挙げておきます。

ただし、10作品を含めどれも少し古い本なので、図書館やネット検索がいいかもしれません。

いい本を探してくださいね。

堂場瞬一:「10-ten-」(大学ラグビー)、「水を打つ」(水泳)

海老沢泰久:「F1地上の夢」(ホンダのF1初挑戦を描いたノンフィクション)

池井戸潤:ルーズヴェルト・ゲーム(社会人野球)、ノーサイド・ゲーム(実業団ラグビー)、陸王(大学陸上)

須賀しのぶ:ゲームセットにはまだ早い(社会人野球)

坂井希久子:ヒーローインタビュー(プロ野球阪神タイガース)



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