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【代々木校】土方先生より「面接はパフォーマンスです」

カテゴリ:タイシン代々木校
公開日: 2022年9月26日 11:49
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代々木校の土方です。


先日9月21日は、日本体育大学総合型選抜課題探究型の出願締め切り日でした。

私は今年から久しぶりに現役科担当になりましたが、今回は英語だけでなく、面接の授業も担当しています。

これまで現役科を担当した時も、英語の授業の傍ら面接授業のお手伝いはしてきましたが、担当になるのは初めてなので、改めて面接の勉強をしています。


実をいうと、私は学生時代、大の面接嫌いで、正直面接というものに良い思い出はありません。

大学4年時の就職試験の時も、第1志望の1つだった某有名食品メーカーの入社試験で、筆記試験は突破したものの、面接試験で失敗し、不合格になりました。

私は緊張のあまりか、下を向き、面接官の顔をろくに見ずに話していたようです。

「土方君は、下を向いて人と話をするの?」と笑われながら注意され、その瞬間頭が真っ白になり、そこから一体自分が何を聞かれ、どんな答えをしたのか全く覚えがありません。

このように就職で失敗する原因はたいてい面接でしたが、それを深く反省した記憶はありません。

むしろ逆で、心の中では、話している内容は決して悪くないのだから、どうして落とされるのかと正直頭に来ていたくらいです。

下手な面接を棚にあげ、そのうちどうにかなるだろうと思っているうち、やがて或る出版社に就職が決まってしまいました。


私が大嫌いな面接と正面から向き合い、真剣にそれを克服しようとしたのは、それから数年後です。

大学での研究をもっと深めてみたいという思いに駆られて、会社を辞め、アルバイトをしながら大学院試験を目指していた時です。

試験には、やはり嫌な面接がありました。

試験に落ちたら二十代半ばの無職の兄ちゃんですから、以前のように「どうにかなる」という余裕はありません。必死です。

友人に模擬面接をしてもらうと、やはり人の顔を見ずに下や横を向いて話す癖があり、しかもかなりの重症だと言われました。

「でも、お前は普段話す時もそうだから、治らないんじゃないの」と笑われました。


私の面接の授業を受けている生徒さんは、

「面接はパフォーマンスです。普段通りの、ありのままの自分を出せばいいなんて考えは捨てて下さい。明るく、積極的で、凛とした人間を演じて下さい。特に人前で話すのが下手な人はそうしないと絶対にダメ!」

と私がよく言うのをご存じかと思います。

これはかつての自分がそうだったからです。

友人に注意されて以来ほぼ毎日、大きな鏡を前に置いて自分の顔を直視し、少し離れたところにテープレコーダーを置いて録音しながら、面接の練習です。当時はスマホなんてないですから。

録音を聞いて、活舌があまり良くないと思ったので、演劇部だった友人に基本的な発声の仕方も教わりました。

面接の教則本や、上手な話し方の本も読んで勉強しました。

再び友人に「診て」もらうと、大分良くなったと言われましたが、最後に「言いたいことがわかりづらいところがある」と言われ、がっかりです。

どこかと聞くと、私が一番アピールしたいところが、どうもそうらしいのです。


私は、自分が言いたいことを、相手の顔をしっかり見て、視線をそらさず、大きな、はっきりした声で、ゆっくり話し切ればいい、自分のパフォーマンスを全うしさえすればいいのだと思い込んでいたのです。

話を聞く相手のことなど、全く眼中に置かずに話していたのです。

一生懸命言いたいことを覚え、熱弁をふるっても、相手に自分の言いたいことが伝わらなければ、自己満足にすぎないことを思い知らされました。

相手に自分の考えがしっかり伝わること、わかりやすいことが何より大切だということを痛感しました。


「書きことばは読み返すことができるけど、話しことばは基本一度聞くだけ。なるべく話しことばの一文はできる限り短く!特にアピールしたいところだけはメリハリをつける点でも少々長くてもいいです。聞く相手のことを考えて下さい!ちゃんと自分の考えが相手に伝わることが面接の発表の基本です。」

これも私が授業でしょっちゅう言うことですが、的を外してはいないと思います。


懸命に治療?特訓?したおかげで面接試験は成功しました。

その後、数回面接を受ける機会に恵まれ?ましたが、失敗した記憶はあまりありません。

目標を持って、日々自らを顧みて精進すれば、苦手なものでも克服できることもあるのだなと思いました。


5年ほど前の放課後のことです。

教室に行くと、数名の生徒が教室で談笑しています。

一人が或る先生のマネをして見せ、それを見て他の仲間が笑っている。

物まねをしている生徒は、あまり正面を見ず、横ばかり見ながら、英文法について力説している。

「これ誰?こんな先生いるか?」

「…土方先生」

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(9月20日撮影。20日は彼岸入りでした。代々木校舎近くの公園で一輪だけ咲いているヒガンバナ(彼岸花、別名:曼殊沙華。英語名はred spider lily )を見つけました。田んぼやお寺で群生して咲くイメージが強いので、たった一輪の姿に惹かれました。この鮮やかな紅の花を見ると毎年秋を感じます。)


大人数を前にすると、以前の悪い癖が出るようで、まだまだ修行が足りないと思い知らされました。きっと生来の照れ屋なんでしょうね。

では、オンライン授業ではどうかというと、これと逆のようです。

先月他界した父はカメラマンでした。

自宅にいるときでさえカメラを肌身離さず、シャッターをカシャカシャ押していました。

幼い時から、父にレンズを向けられ、つきまとわれる毎日で、風呂場やトイレにまでついて来るのですから困りものです。

そのせいでしょうか、レンズの前では照れるどころか、慣れすぎているせいか必要以上に近づきすぎてしまうようです。

加えて、見ている人が怖いと感じるくらいにレンズをにらんでいるようで、一緒に授業を担当している先生から「土方先生、怖いから離れて」とよく笑われます。

カメラおたくの鬱陶しい父を、レンズ越しにキッとにらみ返していた癖が残ってしまったのかな。


面接ではよく「見た目が大事」と言われます。

清潔な服装、髪型、背筋の伸びた凛とした姿勢、明るい表情などについては言うまでもありませんが、オンラインで面接試験がある大学を受験する生徒さんは、カメラ映りに細心の気配りをして下さい。

写す角度、光の加減、背景色と服装の色の相性、そしてレンズとの距離に気をつけましょう。

自分をアピールしたいためにレンズに近づきすぎて、面接官の先生にくれぐれも「怖がられない」ように。

https://www.e-taishin.com/diary/img/20220925%20hiji2.jpg
(9月25日撮影。台風一過の雲一つない青空です。)



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